ノーカーボン複写用紙(感圧紙)について
伝票百貨店で販売している複写伝票は、ノーカーボン紙(感圧紙)という用紙を使用しています。一般的な伝票でよく使われる用紙で、英語表記の略称で「CCP(Carbonless Copy Paper)」と呼ばれたり、裏面が無色であることから「ホワイトカーボン」などと呼ばれることもあります。
この記事ではノーカーボン紙(感圧紙)について、発色・複写の仕組みやメリット・デメリットについてご紹介します。
1.ノーカーボン紙(感圧紙)が発色する仕組み
ノーカーボン紙は記入時の筆圧やドットプリンターの打刻など、圧力による化学反応で発色する特殊な用紙(感圧紙)です。ノーカーボン紙の裏面には無色のインクが入った微細なマイクロカプセルが塗布されており、表面にはインクに反応して発色する顕色剤が塗布されています。記入時の筆圧でカプセルからインクが染み出し、下の紙の顕色剤と反応することで青色や黒色に発色・複写します。
ノーカーボン紙には上用紙(上・トップ・T)・中用紙(中・ミドル・M)・下用紙(下・ボトム・B)の3種類があり、これを組み合わせることで複写を実現します。上用紙は裏面にマイクロカプセルが塗布されており、複写順の上側、記入する面で使用されます。下用紙は表面に顕色剤が塗布されており、複写順の下側、記入内容を複写する面で使用されます。中用紙は表面に顕色剤、裏面にマイクロカプセルが塗布されています。中用紙は上用紙と下用紙の両方の性質を備えており、主に複写順の中間で使用されます。
裏面に塗布されたカプセル内のインクと、表面に塗布された顕色剤が反応することで発色する仕組みですので、用紙の種類や重ね順、表裏を間違えると発色しないことがあります。
2.ノーカーボン紙(感圧紙)のメリット・デメリット
ノーカーボン紙(感圧紙)のメリット
一般的なカーボン紙は裏面に黒色や青色のカーボンインキが塗布されています。このカーボンインキ面が擦れてしまい、複写側の用紙を汚してしまったり、手についてしまったりすることがあります。ノーカーボン紙はカーボンインキを使用していないので、思いがけないインキ汚れによるトラブルを防ぐことができます。
また、ノーカーボン紙は裏面のマイクロカプセルが無色ですので、通常の用紙のように裏表両面に印刷することができます。契約書や申込書などの複写伝票で、裏面に規約や約款などの必要事項を印刷することができます。
ノーカーボン紙(感圧紙)のデメリット
ノーカーボン紙(感圧紙)の発色は化学反応ですので、発色反応が薄まることで退色(色が消えてしまう、薄くなってしまう)することがあります。複写伝票を保存する場合は十分に注意してください。
- 直射日光など強い光が当たる場所での保存
- 水に濡れる場所や湿度の高い場所での保存
- 高温になる場所での保存
- 塩化ビニル系のファイル・クリアフォルダでの保存
- アルコール類・有機溶剤・油脂類などに触れた場合
直射日光や紫外線などの強い光に長期間さらされると、発色反応が薄まってしまいます。
水に濡れたり、水分を含んでしまうことで、発色反応が薄まってしまいます。
自動車のダッシュボードなどで高温にさらられると、発色反応が薄まってしまいます。
塩化ビニル系の樹脂には、加工しやすくするために可塑剤という薬品が添加されています。この可塑剤に発色を弱める作用があります。
印鑑(スタンプ)やテープ類、蛍光ペン、化粧品などに含まれるアルコール類・有機溶剤・油脂類によって、発色反応が弱まることがあります。発色部分から離れた位置に追記や捺印をするようにしてください。また発色部分はなるべく触らないようにしてください。
上記の点以外に、長期保存の経年劣化でも退色が発生します。
3.ノーカーボン紙(感圧紙)の種類
伝票百貨店で取り扱っているノーカーボン紙(感圧紙)は以下の通りです。
その他の種類や紙番手で作成をご希望の場合はお問い合わせフォームよりご相談ください。
紙番手:N40(一般的な用紙・コピー用紙より薄い)
上用紙・中用紙
(青発色)
上用紙・中用紙
(黒発色)
下用紙
紙番手:N50(上質紙45kg相当 コピー用紙よりやや薄い)
上用紙・中用紙
(青発色)
上用紙・中用紙
(黒発色)
下用紙
紙番手:N60(上質紙55kg相当 コピー用紙程度の厚さ)
上用紙・中用紙
(青発色)
下用紙
紙番手:N80(上質紙70kg相当・コピー用紙よりやや厚い)
上用紙
(青発色)
下用紙
紙番手:N100(上質紙90kg相当・コピー用紙より厚い)
下用紙
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